以前CMを流してそれなりに有名だった消費者金融ワールドは貸金業法改正後業績を落とし現在すでに倒産してしまっています。こういった消費者金融は非常に多く倒産は現在も続いています。
これ等の消費者金融は、倒産して連絡も取れなくなっている所も有れば、融資業務を廃業して、それまで融資したお金を回収する業務だけを続けているという場合もあります。
注意が必要なのはワールドようにそれなりに有名だった消費者金融の名前を騙って不法な融資を行うような闇金が出てくる可能性が有る事です。
消費者金融を利用する場合にはそういったことが無いか十分調査してからにして下さい。
ワールドという消費者金融が有ったという記憶を持っている人も多いはずです。大手と言える規模ではありませんでしたがテレビコマーシャル等も流していたのでそれなりの規模を持つ知られた存在でした。
しかし貸金業法の改正で、総量規制やグレーゾーン金利の撤廃が行われたために、業績が悪化して2009年には融資業務を廃業し倒産してしまい、現在連絡が取れなくなっている状況です。
こういった消費金融は、実はワールドだけではなく、貸金業法の改正後当時存在していた消費者金融の半数は、同じように廃業を余儀なくされてしまったと言われています。
消費者金融のワールドと言えば、大手とは言えませんでしたが、ひと頃はテレビでコマーシャルを流し、街中でも看板をよく見かけるほどの規模を持った業者でした。
こういった業者ですから、現在は見かけなくなったとはいえ、かつてを知っている人には、どこかに店舗が有って、営業していると考える人も多いはずです。
またかつて利用したことがある人の中には、もう一度利用したいと考えている人や、以前借りていたが過払金があるので連絡を取りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、残念ながら、このワールドは現在は存在していません。実は2009年に融資業務を廃業し、その後融資していたお金の回収だけを行って、その後は倒産してしまったようです。
原因は当時行われた貸金業法の改正によって、総量規制とグレーゾーン金利の撤廃が行われたことによって、融資できる金額が抑えられ、しかも高い金利が付けられなくなってしまったことです。
総量規制というのは少額融資の例外を除いて、融資は年収の3分の1までという枠を作ったもので、消費者金融は、その枠を超えて融資することが法律で禁止されてしまいました。
さらにグレーゾーン金利というのは、上限金利を決めるための法律として利息制限法と出資法の2つがあるのですが、この法律間の上限金利に食い違いがあって、その間の金利のことを言います。
当時の上限金利は次のようになっていました。
法律 | 上限金利 |
---|---|
利息制限法 | 10万円未満:20% 10万円以上100万円未満:18% 100万円以上:15% |
出資法 | 29.2%(平年の場合) |
このため、当然ですが消費者金融というのは利息がたくさん取れる出資法を根拠に高い金利を付けていました。ワールドの場合も最高29.2%の金利を付けていました。
しかしこの後貸金業法が改正されて、適用される金利は利息制限法が適用になる言ことが明確にされ、高い金利が付けられなくなってしまいました。
しかもそれ以前の金利も利息制限法が上限とされたために、それまで出資法に則った金利で計算していた利息は取り過ぎという事になって、消費者金融は請求が有ればとり過ぎた分を返金が必要になりました。
これが現在でも続いている過払金というもので、この返金が消費者金融の体力を著しく奪う事になってしまいました。
ワールドはこの2つが原因となって、倒産に至ったわけです。
当時の消費者金融では、ワールドのように出資法に基づいた金利で融資するのが普通でしたから、どの消費者金融もワールドと同じような状況になったことは間違いありません。
現在大手と言われる消費者金融でさえ、殆どが銀行の支援を受け、銀行のグループ企業にならざるを得なかったのです。
もとはと言えば法律間の不整合が原因ですから、消費者金融も被害者と言えるかもしれません。
ですから銀行の場合には、総量規制はありませんし、金利も元々消費者金融よりも低い設定でしたから、銀行がカードローンに進出した事で、消費者金融は利用者を奪われ、さらに厳しい状況に追込まれた訳です。
こういった融資業務を廃業してしまった消費者金融は、債権を他の業者に売ってしまって、その後倒産というところも多いのですが、会社自体は存続している場合も有ります。
こういった会社は消費者金融以外の側面を持っていたり、あるいは融資業務で融資したお金の返済を受け付けるだけの回収業務を行っているところも有ります。
ワールドも融資業務廃業後はこういう形で存続していましたが、現在では連絡が取れなくなっているようです。
この消費者金融の倒産の波は実は多少収まってきているとはいえ現在でも続いており、もし返済中に連絡が取れなくなるようなことになったら取り敢えず、様子を見ましょう。
以後債権を買い取った業者から連絡が有るかもしれないので、それを待っても遅くはありません。
ワールドも当初はそうだったと言われていますが、消費者金融は経営に行き詰ってしまったからと言って、おいそれと潰れる訳にはいきません。
もちろん、消費者金融以外にも事業を持っていて、そちらは好調という場合も有りますが、多くの場合は、それまでの融資業務で融資したお金の返済があるからです。
会社が行き詰ったからすぐに全額返してくれという事は契約上もできませんし、利用者に落ち度もない訳ですから、そんなこと言ったら大問題になります。
このため、多くの場合には、まず融資業務を廃業して、返済の受付だけで業務を続けます。
その後融資したお金の回収が終わったところで、倒産という形になる訳です。
したがって、融資業務が廃業されたからと言って、会社自体は暫くの間は存続している可能性があります。
ただし、業者によっては利用者の債権を他の業者に売って、さっさと会社を閉じてしまう場合も有ります。
経営が行き詰ってしまった場合、負債も大きくなっている可能性が高いですから、業者としはとにかくお金が欲しい状態になります。
そこで債権を例えば8割で売れば、現金を作る事ができます。
買い取ったほうは、満額回収できれば、儲けが出る訳ですから、悪い取引ではありません。
また破産によって破産管財人が入る場合も有るので、業務停止後は様々なケースが考えられます。
こういった経営危機の話は実は現在でも数は減りましたが続いているので、取引きしている消費者金融が、いつ経営が傾いて、融資業務を停止してしまうか分かりません。
融資業務停止に当たっては利用者に連絡が行われるので、まずは返済はその指示にしたがって行いましょう。
しかし、もし突然倒産してしまった場合には、どういった形で返済を行えばよいのかも分らなくなることもあります。
その場合には、例えば債権を取得した業者が連絡して来たり破産管財人が連絡してくるでしょうから、それが来るまでは様子見をした方が良いでしょう。
このように転々としていくと、危ない業者の手に渡ってしまう可能性も有ります。ですから債権が他の業者に渡って返済の依頼が来たらできるだけ早めに返済してしまったほうが安心です。
グレーゾーン金利の廃止で発生した過払金は返してもらうことができます。ですから以前消費者金融を利用していたことがある人はできるだけ早く調べて、過払金が有れば返還請求を行いましょう。
もし既に倒産してしまって連絡が取れないという場合、多くの人は諦めてしまいがちですが、そういった業者の債権を買い取っている業者が有るかもしれないので、諦めてしまう必要はありません。
ただどこの業者に流れているのかは素人では調査が難しいので、以前使っていた消費者金融名と利用金額、利用時期など持って行って弁護士に相談してみましょう。満額ではなくても返ってくる可能性があります。
現在ではもう違法な金利を付けているのは闇金くらいしかありませんが、もしワールドのように以前あった消費者金融を利用していたという場合には、過払金があるはずです。
例えばワールドの場合先程説明したように、最高29.2%の金利で融資していたわけですから、現在の利息制限法とは最低でも9.2%差があります。
ですから、当時高額利用していた場合には、かなり高額の過払金がある事が予想できます。
まずは、自分に過払金があるかどうか、よく調べてみて下さい。
もちろん過払金が有ったとしても、すでに時効になっていたりすれば、返還請求はできませんし、時効になっていなくてもワールドのように倒産してしまっていて業者に連絡する手段がないという場合もあります。
ただし、先程説明したように債権を他業者が引き継いでいたりした場合には、そちらの業者に対して過払金の返還請求ができる可能性があります。
しかし、時間が経過してしまうと、現在どういった形になっているのかが素人には調べられず、結局諦めた人も多いでしょう。
しかし過払金というのは、そもそも支払う必要のない利息だったわけですから、今でも自分のお金です。何とか取り戻す方法を考えましょう。
素人の調査能力というのは、インターネットが発達してかなり強力になりましたが、やはり専門家にはかないません。
ですから、もし自分の利用していた消費者金融が倒産してしまっている場合には、弁護士などの専門家に相談してみる事を勧めます。
こういった専門家であれば、以前の業者が現在どうなっているのかというようなことの情報も持っている筈です。
ですから、自分では取り戻すことは無理だと思っていても、意外にあっさり取り戻せる可能性も有ります。悩んでいないで、すぐに相談するようにしましょう。
ただし返還請求しただけで、返還されるわけではなく、業者側はできるだけ減額するためにいろいろと言ってきます。この交渉は素人では難しく、結局少額しか戻ってこなかったということもあります。
ですから料金が発生したとしても、弁護士に依頼した方が結局は高額のお金を取り戻せる可能性は高くなります。
またワールドのように以前は有名で、まだ存続していると考えている人もいるような消費者金融には注意しなければならない事があります。
それはその名前を悪用して信用させ、違法な融資を行う闇金が出てくることがあることです。
ですから消費者金融を利用する場合には、どんなに有名どころであっても、まずは業者登録を調べて実在する業者なのかどうかを確認してから接触するようにして下さい。
もし既に利用している業者が、調べてみらた違法業者だったという場合には、なるべく早く返済してしまって、以後は接触を断つようにしなければなりません。
ワールドのように以前は有名で、それなりに知っている人が多い業者では注意しなければならない事があります。
金融業界では銀行や正規登録した消費者金融のような業者だけではなく、正規の金融業者登録をせずに金融業を行なっている闇金と呼ばれる業者が非常にたくさんあります。
こういった業者は街中に立派な店舗を構えているところも有れば、携帯電話だけで営業しているところも有ります。
もちろん正規業者ではないので違法なことも行う事がありますし、返済できなければ裏の顔を出す事も有ります。
しかも、こういった業者は利用者を集めるためにあらゆる手段を使いますから、人を騙すこともその1つと考えます。
知られた名前であれば、利用者の方も安心して油断してしまいますから、例えばワールドと名乗れば、利用を考える人もいる訳です。
ですから消費者金融を利用する場合には、どんなに有名な業者であっても、まずはそういった成りすましを疑ったほうが無難です。
そこで消費者金融を利用する時には、まずは金融庁の貸金業データベースを利用して、その業者が貸金業者として登録されているかどうかの確認を行いましょう。
このデータベースはインターネット上から誰でも検索できますから、大変簡単に確認できいます。
検索したら次の情報が利用しようとしている業者が表示している情報と一致するかを確認してみて下さい。
登録情報と完全に一致していれば、正規登録された業者です。
以前あった業者に成りすましている場合には、登録は削除されている筈なので、検索してもヒットしないはずです。
ついでに言うと、このなりすましでは、現在も存続している業者に成りすます場合も有ります。
そういう場合には、電話番号以外は全て実在業者と同じ情報を使っていて、電話番号だけを自分のところのものに入れ替えている悪質な業者も有るので、必ずこれらすべての情報が一致することを確かめて下さい。
既に消費者金融を利用していて、先程の確認をしてみたら、自分の利用していた消費者金融が実は闇金だとわかったという人もいるかもしれません。
その場合には、現在借りているお金を契約通りに返済して、以降は関係を断ってください。
もし返済中にトラブルになった場合には、躊躇せずに警察に相談しましょう。
例えば脅迫的な取り立てなどが行われた場合には録音などの証拠を残しておくと良いでしょう。相手は法律違反をしている訳ですから遠慮している必要はありません。
例えば金利はあくまで法律内にしておいて、返済が滞るような場合には、新たな闇金を紹介して利息分だけを借りさせ、これを支払わせます。
支払ったのは利息分だけですから、翌月も同じだけ利息を取る事ができて、これが続くと、いつまで経っても元金が減らず業者は利益を上げ続けることができます。
しかも他業者の借入れも増えて負債は膨らむ一方で、徐々に追い詰められ多重債務者になってどうしようもなくなってしまいます。
ここで以前存在したワールドという消費者金融について纏めておきます。
現在残っている大手消費者金融のほとんどは銀行の支援をで、経営は盤石になっていますが、中小の場合には経営は順調とは言えず今後もワールドのように廃業してしまう場合も考えられるので注意してください。