事業の運転資金にカードローンを利用したい!事業者向けなら可能

一般消費者向けカードローンは生活資金への融資を目的にしており、事業資金への利用を禁じているのが普通です。

しかし、個人事業主の中には生活資金との切り分けができておらず、事業の運転資金に利用いしてしまう場合も有ります。

カードローンは何度も借入れが可能という点で事業の運転資金にも利用したくなり、事業にも利用したいと考える人も多いようです。

そこで最近では事業者向けのカードローンも提供されるようになっており、利用希望があれば一度金融機関に相談してみましょう。

ただし事業資金としての申込みですから、申込みには事業の状況説明なども必要になるため、税理士等にも相談してみる事が必要でしょう。

一般消費者向けカードローンは事業資金には利用できないので要注意!

通常カードローンと言えば一般消費者向けのキャッシングの一つで、生活するうえで必要になるお金が足りない場合に利用して、生活全般を円滑に行うための融資を目的にしています。

この一般消費者向けの融資というのは利用目的に制限がないと言われ、実際にそう考えている人も多いでしょう。しかし契約書を読めば分かりますが、事業資金への利用を禁じている場合がほとんどです。

会社員であれば、一時的な立て替えなどを除いて会社の為に自分でお金を借りるようなことは考えにくいですが、個人事業主の場合には、借りたお金が事業に回ってしまう可能性も十分あり注意が必要です。

通常カードローンと言えば一般消費者向けのものを指す

一般的にカードローンと言えば一般消費者が、生活資金やレジャー、趣味といったことに利用するものということになります。

この一般消費者向けのカードローンの場合、一般的な認識としてはどのような目的にも利用できるフリーローンということになっています。

ですから他の住宅ローンや自動車ローン、教育ローンと言った利用目的が限定されているローンに比べて金利は高いですが、使い勝手が良く、利用者も増加傾向にあります。

一般消費者向けの場合事業資金の借入は禁止されている

しかし、カードローンを利用している場合には、よく契約書を確認してみて下さい。

利用目的としては自由にはなっていますが、殆どの場合但し書きがあり事業資金としては利用できないと明記されている筈です。

つまり一般消費者向けのカードローンの場合、借りたお金で事業を始めるとか事業の運転資金にするというような使い方は通常できない事になっている訳です。

会社員であれば、副業でもしていない限り、そういったことに借りたお金が流れるというようなことはまずありませんが、自分で事業を行っているような人の場合には注意が必要になるでしょう。

個人事業主の場合切り分けができていないことも有り注意が必要

このような自分で事業を行っている人のことを個人事業主と言いますが、個人事業の場合次の2つのお金が必要になります。

  • 生活資金
  • 事業資金

事業が大きくなった場合には、この2つは完全に分離しておかないと面倒ですから、自然に管理を分けるようになりますが、事業が小さい場合にはなかなかそうはいきません。

例えば小さな小売店を営んでいた場合には、レジの中から生活資金をちょっと出してしまったり、生活資金の中から仕入れなどの運転資金を出すというような事はよくある話です。

このため一般向けカードローンで生活資金を借りたが、そのお金が事業の運転資金として利用されてしまうというような可能性が無いとは言えず、下手をすると契約違反になってしまいます。

~一度カードローンの契約内容を確認しておこう~
カードローンを利用する場合、必ず契約を取り交わしますが、利用者の多くは契約書に完全に目を通してはいないでしょう。

しかし本文で説明している利用目的の制限もそうですが、細かい規定が沢山あるので、面倒かもしれませんが、利用の前に一度目を通すようにしてください。

運転資金には事業者向けのカードローンがある!まずは金融機関に相談

ただ個人事業主の場合、運転資金は日常的に必要になるもので、足りなくなった時にいちいち融資の申込みをするのは大変面倒なため、運転資金にもカードローンのようなものが欲しいと感じる場合があります。

そこで金融業者もそういった要望を考慮して、現在では事象者向けのカードローンを提供しており、これであれば、事業資金としてカードローンを利用する事ができるようになります。

ですから、もし運転資金の遣り繰りが難しくなる場合があるというような場合には、一度取引きのある銀行に相談しに行って、詳しい話を聞いてくるようにしましょう。

事業の運転資金でもカードローンが有れば便利という要望は強い

このように一般消費者向けのカードローンと言うのは通常は事業資金として利用する事ができません。

しかしカードローンと言うのは最初に一度契約を交わし、適正に返済を続けていれば、必要な時に何度も借入れすることができ、例えば事業の運転資金として利用すれば大変便利なことがわかるはずです。

このため、個人事業主の中には、事業の運転資金でもカードローンを利用したいという要望が非常に強くあると考えられます。

もちろんそういった要望が有れば、儲けにつなげる事もできる訳ですから、金融業者側もその要望に沿った金融商品の提供を考える事になります。

現在では事業者向けのカードローンと言うものが用意されている

そこで金融業者が用意したのが、通常の事業資金向けのローンに対して、借りたり返したりを続けることができる事業者向けカードローンです。

カードローンですから、一般消費者向けカードローンのように適正に返済していれば、何度でも借入れを行う事が可能になります。

これによって運転資金に困った時でも、資金調達が簡単にでき資金ショートを起こす可能性も非常に低くできるはずです。

ただし、この事業者向けカードローンは一般消費者向けカードローンとは逆に事業資金にしか利用できません。

ですから、事業資金として借りたお金が生活資金に利用されるようなことが無いように注意しなければなりません。

まず一度取引きのある金融機関に相談してみよう

そこで、もし運転資金の調達を安定化させるためなどで事業者向けのカードローンの利用を考えた場合には、まずは日頃から取引きのある金融機関に行って相談してみましょう。

そういった金融機関に、事業者向けカードローンが有れば、申込みから利用開始まで、そう問題なく進むでしょう。

もしそういった金融商品が無かった場合には、他の金融機関の金融商品を調べて、良さそうなものを選ぶ必要があります。

長いお付き合いになるはずですから、時間をかけてじっくり調べて自分の事業に合ったものを選ぶようにしましょう。

~利用目的によっては別のローンの利用も考えよう~
事業者向けカードローンは本文で説明している通り、利用目的としては運転資金の調達にもっとも合った借入方法と言えるでしょう。

しかし事業は運転資金だけあっても駄目で、例えば新たな事業を始めようという場合には、大きなお金が必要で、カードローンではなくて、他の事業者向けのローンの利用が必要です。

ですから、お金が必要という場合には、何のための借入れなのかよく考えたうえで、それに合ったローンを選んで下さい。

事業資金を借りる場合の申込は事業の説明が必要!税理士に相談しよう

事業者向けの融資を利用する場合には、一般向けとは違い、事業の状況などを説明する書類を用意しなければなりません。

運転資金なので新たな事業を起こすというような場合よりも簡単ですが安易に考えてはいけません。

返済計画も含めて説得力がある書類の準備が必要で、借りたお金はしっかり返していけるという事を示す必要があります。じっくり検討して準備を進めて下さい。

もし返済計画などで、自分ではうまく表現できないというような場合、適当な数字を並べてしまうと、金融業者はそれを見抜いて否決になりかねませんから、そういった部分は税理士に相談することも必要です。

事業者向けカードローンの申込みでは事業の状況を説明する必要がある

一般消費者向けカードローンを申込む場合、審査では返済能力や信用というものが評価される事になりますが、事業者向けカードローンでもやはり同じように審査が行われます。

この審査では生活資金ではありませんから個人的な返済能力や信用ではなくて、事業の状況や事業者としての信用が評価されます。

したがって、事業者向けカードローンを申込む場合には、事業の状況を説明して、返済していくことができるのかどうかを示す事が必要です。

返済計画を含めて説得力のある書類の準備が必要

そこで事業の状況説明のために書類を用意する必要があります。

運転資金の借入れが目的であって新たな事業を起こそうというのではないので、事業計画までは必要ありませんが、事業の収支や返済計画を含めて、返済していく事が可能であることを示す必要があります。

そうでなければ審査を行った場合返済能力なしと評価されてしまうことになります。

そこで事業の説明や収支、返済計画といったことを纏めなければなりませんが、事業の説明は事業主なら比較的容易にできるでしょう。

しかし返済計画と言うような話になると、門外漢ですから、結局数字合わせで説得力の無い数字を並べる事になります。

そんな書類を金融機関の審査官が見ても、説得力も何もなく審査は否決になってしまうでしょう。

自分で用意できない部分は税理士に相談しよう

そこで、そういった低評価にならないようにするにはどうすれば良いのかというと、外部ブレーンを利用すると良いのです。

殆どの個人事業主は、日頃から税理士とは関係を持っている筈です。ですから、確定申告を行う時ばかりではなく、こういった資金調達の場合にも、知恵を貸してもらいましょう。

税理士というのはこういったことについても多数の経験を持っている筈ですから、事業者向けカードローンの申込みでも、金融機関が納得するような書類の書き方を心得ている筈です。

またローンの利用方法についてもどういった使い方をすべきかなど、いろいろと教えてくれるはずです。

~外部ブレーンを大いに利用しよう~
本文では税理士を利用する事について説明していますが、外部ブレーンは税理士だけではなく、弁護士を始め弁理士など様々な人がいます。

自分の事業を円滑に進めていくためには自分の知識だけでは絶対的に不足していますから、必要に応じてこういった外部ブレーンを大いに利用すべきでしょう。

生活資金と事業資金をしっかり切り分けて管理しよう!

事業規模が大きくなれば、事業資金の管理はより厳格に行われるようになりますが、事業規模が小さい場合には、なかなか生活資金と事業資金を完全には切り分けられません。

ですから安易にお金を借りる前に、自分の生活資金と事業資金を分離して管理する仕掛けを考えて実施してください。

これができていない場合、事業資金として借入れしたお金が、今度は生活資金に回ってしまうといったことも無いとは言えません。

個人事業ですからそれも有り得ることですが、しっかり記録を残し、お金の流れが明確に分かるように切り分けておくようにしてください。

お金を借りる前に自分のお金の管理を始めよう

そこでこれまであまり自分のお金の管理ができていない人を想定して、管理をどのように進めれば良いのか考えていきましょう。

まず個人事業主でも、ごく小規模な事業の場合、年に1回だけ帳簿の整理をするというようなずさんな管理を行う人もいますし、そういう人に限って、生活資金の管理も行っていない場合も多いようです。

そこでまずは自分のお金というものの管理をしっかり行う事を考えましょう。

どういう場合でも自分のお金の流れがどうなっているのか、すぐに分かるようになっている必要があります。

そのためには日々記録に残しておくことが重要で、これは会社員でも同じことが言えますが、特に個人事業主の場合には、資金管理が複雑になるので、詳細な記録が必要になるのです。

場合によっては事業資金として借りたお金が生活資金に回ることも有る

このような記録を残すようになると、自分のお金の流れが見えるようになって、生活資金が事業資金に流用されていたり、逆に事業資金が生活資金に流用されていることが見えてくるようになります。

そこで次の段階として生活資金と事業資金の管理を別々に行うようにしましょう。

つまり記録を2つに分ける訳です。事業資金の場合は日々帳簿を付ければ良い訳ですし、生活資金については家計簿のようなものを用意すれば良いでしょう。

もちろん個人事業ですから、2つの資金の間でお金の移動が無いとはいえませんので、その経緯が分かるように記録を残して、そのお金の出所が借入れしたものではない事が確認できるようにしましょう。

生活資金と事業資金はしっかり切り分けができていなければいけない

最終的な形としては、資金間のお金の移動については、例えば生活資金から事業資金への流用の場合、事業主からの借入れという形で行うような形で記録に残し、後で返済するようにしましょう。

そうすれば、生活資金と事業資金というのは完全に分離されて、後々会社組織に変えるような場合でも、スムーズに移行できるようになるはずです。

現在2つの資金間でなあなあで流用している場合には、事業者向けカードローンを利用するに際して、せっかくの良い機会ですから、完全に切り分けてしっかり管理ができるようにしましょう。

~事業者向けカードローンは総量規制対象外~
そうは言っても自分は年収が少なくて総量規制の上限が低いので、とてもカードローンで事業の運転資金を調達するのは難しいと考えている人も多いでしょう。

確かに一般消費者向けカードローンの場合には総量規制で上限があり、そう高額の融資が期待できないかもしれませんが、事業者向けカードローンは総量規制の対象ではありません。

問題なのは事業の状況であって、利益が上がって返済能力さえあれば、個人事業主の年収に関係なく利用できる可能性があります。

ここで事業の運転資金でのカードローンの利用について纏めておきます。

  • 一般消費者向けカードローンは事業資金には利用できない
  • 事業の運転資金には事業者向けのカードローンが利用できる
  • 事業資金を借りる場合には事業状況の説明資料の作成など税理士に手伝ってもらうと良い
  • 生活資金と事業資金が混ざらないようにしっかり別々に管理を行う事が必要

一般向けカードローンと同じで事業の運転資金も借り過ぎてしまうと返済が苦しくなりますから、長期的な視野を持って、上手に資金が利用できるようにし、借り過ぎにならないように注意してください。