キャッシングというのは申込み時に融資希望額を出しますが、必ず希望通りに借りられる訳ではなく、審査を行ったうえで金融機関側が融資できる金額を決定することになります。
ただし、サラ金の場合、法的に年収の3分の1までという規制が有る為、それ以上になることは無く、さらに審査による信用評価は当初は低くなってしまうため、実際に借入れできるのは極少額になります。
ただし、何度か利用をして適正に返済が行われれば、信用評価も上がって、融資額は増える事になりますが、年収が増えなければ上限は変わりませんから、高額利用の為には年収を増やす事が必要です。
キャッシングというのは申込時に自分が借りたい希望額を申告します。この時点ではその金額が借りられると考えて申込む人が多いはずです。
しかし、この希望額というのはあくまで利用者が希望している金額であって、サラ金が考える融資して良い金額という訳ではない為、実際に希望額が融資されるとは限りません。
融資される金額というのは、申込み後に金融機関が行う事になる審査の中の信用の評価によって決められることになります。実際の融資額を見てがっかりという人も多いかもしれません。
キャッシングというのは担保も保証人も必要なく、お金が必要と考えた時にすぐに申し込めて大変便利です。
申込みは最近では窓口に行かなくてもネット経由や電話で行う事ができますから、さらに便利さを感じるはずです。
申込み時は、自分が必要な金額を融資希望額として申告することになりますが、この時点では自分が必要な金額かそれに多少加算して記載する人が多いでしょう。
当然多くの人の場合は、その金額がそのまま借りられると考えているわけです。
もちろん金融機関の方でも、なるべく希望に沿って融資したいとは考えていますが、実際にはそう簡単に希望に応じることはできません。
希望は希望として聞いておくが、融資できる金額は希望に添えるかどうかは分からないという事です。
ですから申込者の方も、希望額が借りられると考えるのではなくて、申込みの時点から、希望は希望として考え、実際には希望額から減額される可能性も考慮しておく必要があります。
そこで、なぜ希望が通らない事があるのかを説明していきます。
金融機関が融資できる金額というのは、申込みが行われた後、金融機関内で行われる審査の中で決定されます。
審査では次のような点について確認や評価が行われます。
まず申込者の中には自分では審査に通過できそうにないと考えて誰かに成りすまして申込む人もいるので、本人が申込んでいるかどうかの確認が行われます。
返済能力については次のような評価が行われます。
この評価はある程度の年収が無ければ返済できない事、そして月々返済していくにあたって安定した月収が必要という事で行われるものです。
融資額を考える場合も、例えば年収100万円の人に100万円貸したとしても、なかなか返済は厳しいと考えなければなりません。
さらに信用の評価では、過去の金融取引状況を信用情報で確認し、申込者が信用できるかどうかを判断し、さらに申込者と金融機関とのお付き合いの度合い等の評価が行われます。
融資額はこの信用評価内で年収なども加味しながら決められる事になります。
このように融資額はそう大きくはありませんが、さらにサラ金の場合には融資できる金額には法的な上限が設定されています。これは貸金業法の総量規制ですが、これによれば年収の3分の1が融資上限になります。
しかも先程説明したように審査がありますから、この年収の3分の1というのは上限であって、実際に設定される融資額というのはこの範囲内で決められるということです。
この審査での信用評価というのは借り手と金融機関の間のおつきあい次第という事になるので、これまでお付き合いのなく初めて申込んだような場合には、借入れできる金額というのは極めて少額になります。
ではこの審査で信用できる人と判断されたら、そのキャッシングの融資上限まで融資されることも有るのかというと残念ながら、そんなことはありません。
先程の例でも年収100万円の人に100万円貸すような金融機関はないのです。
とくにサラ金のような貸金業の場合には、以前はどんどん融資していましたから、高額融資も狙えると思うかもしれませんが、現在では法的規制が厳しく、そういったことはできなくなりました。
現在サラ金のような貸金業の場合、貸金業法に従わなければならず、その中には総量規制と言って、融資できる上限を決める条項も含まれています。
それによれば、少額融資の例外はありますが、融資は利用している貸金業者全社合わせて年収の3分の1までと規定されています。
ですから例えば、融資上限800万円のキャッシングで年収300万円の人が融資希望800万円で申し込んだとしても、融資は年収の3分の1の100万円までしか借りられる可能性はないのです。
しかもこの規定は融資できる上限を決めているにすぎず、サラ金側は、この金額の範囲内で、審査によって融資額を決める事になります。
ですから、例えばこの規定を知っていて、自分は年収300万円だから100万円の希望を出せば、そのまま融資されるだろうと安易な考えを持つ人もいるかもしれませんが、残念ながらそう簡単ではありません。
先程も説明したように、審査ではその人の信用を評価して、融資額が決められます。
この金額を決める信用評価では金融機関と申込者のお付き合い状況が大きく影響することになり、評価が高いほど、総量規制による上限に近づいていく事になる訳です。
通常申込みを行った当初というのは、多くの場合、それまでそのサラ金とのお付き合いはなかったはずです。
このため、お付き合いの度合いを考えると、その評価はゼロという事になるので、まだまだサラ金側は申込者を信用してくれるわけではありません。
こういった場合、まずはお試しで少額の利用をしてもらって、しっかり返済してくれる人かどうかを見極める事になります。
お試しで高額融資を行うようなところはありませんから、お付き合いを始めた段階では、融資額というのは、総量規制の上限には遠く及ばず、極めて少額になってしまうのが普通です。
ちょっと気落ちしてしまうかもしれませんが、最初はそういうものだと考えて下さい。
そこでこういった業者を取り締まる目的で制定されたのが現在で言う貸金業法で。当時は俗にサラ金規制法というような名称で呼ばれていました。
このような上限が設定されている中でも、信用の評価が上がっていけば融資される金額というのは増額していく事ができます。ただし、増額すれば徐々に上限に近づいていく事になります。
しかし、もし年収が変わらなければ、法的な規制ですから、上限を勝手に変える訳には行きませんので、増額は徐々に頭打ちになっていき、そのうち幾ら信用が高まってもそれ以上の高額利用はできなくなります。
このため融資額を増やしたいと考えているのであれば、信用を高めるだけでは不足で、同時に上限の基になっている年収を着実に増やしていく事が重要になります。
ここでちょっと注意しておきたいことがあります。キャッシングには大手や中堅のサラ金が行っているカードローンと、中小のサラ金が行っている証書貸付によるキャッシングがあります。
カードローンの場合は一度契約してしまえば借りたり返したりを続けることができますが、証書貸付の場合には、基本は借入れの都度、申し込みを行って審査を受ける必要があります。
審査の考え方は同じですから、ここまでの説明では区別しませんでしたが、ここからはまず証書貸付について説明し、次節でカードローンに触れます。
証書貸付もカードローンも、申込当初はそれほど高額融資は望めませんから、まずはその中で利用して借りたものを契約通りに返済するといった利用を守って下さい。
証書証付けの場合、何度も利用していれば、サラ金側もこの利用者は契約をしっかり守っていて、信用できると考えるようになっていきます。
こうして信用の評価は徐々に上がっていきますから、何度か申込んで審査を受けていれば、融資できる金額は徐々に高額化していくはずで、総量規制の上限に近づいていく事になります。
要するにサラ金側が信用できる人にはもっと借りてもらいたいと考えたとしても、法的な上限に達すればそれ以上融資をすることはできないのです。
利用者の方も、自分の年収を意識して、融資額が上がらないと思ったら、総量規制の上限に達しているのではないか、一応確認してみて下さい。
そこで、既に自分は年収による上限に達しているとわかったら、どうすれば良いのでしょうか。
1つはその範囲内での借入れで十分と考えて、さらなる高額融資は望まないという考え方です。借入れは利息という損失を生みますから、これはこれで良い判断と言えるかもしれません。
しかし、人によっては、自分はもっと高額の借入れをしたいと考える場合もあるでしょう。
そういう場合には、キャッシングの利用を始めて、信用を付ける段階から、年収についても徐々にではあっても増やす努力が必要です。
最近ではデフレが続き年収も下落し続け、まともな政権ができてやっと収まってきましたが、なかなか上昇に転じる事ができません。
このため、年収を増やすと言っても、そう簡単なことではありませんが、大きなお金を借りるには、それを上回る大きな返済能力が要求されるのは当たり前の話です。
少しづつでも年収が増やせるように頑張ってみて下さい。
ですから信用の評価が高まれば高額のお金を有利な金利で借りることができる様になるのです。
カードローンの場合も当初設定される利用限度額はやはり同じように当初は非常に少額になってしまい、その範囲の中で借りたり返したりを続けるという事になります。
しかし適正な利用を続けることができれば信用は上がっていくので、しばらくすれば利用限度額を増額してもらう事が可能です。もちろん法的な上限を超える事はやはりできません。
利用限度額を増額してもらうには再度審査を受けて自分の信用を再評価してもらう必要があります。評価の結果によっては増額が拒否される場合も有るので、必ず増額できると考えてはいけません。
次にカードローンについて説明していきます。
カードローンの場合、審査に通過しても融資として現金がすぐに渡されるわけではありません。審査では利用者毎の利用上限となる利用限度額が決められ、利用者はその枠の中で、必要に応じてATMから融資を引き出したり振込んでもらったりします。
そしてカードローンの特徴として借りたり返したりをこの枠内で続けることができる訳です。
カードローンの場合、借りようが借りまいが、この利用限度額が総量規制の上限内に収まるように設定されます。
先程まで説明した証書貸付の場合と同じように、審査では信用の評価が行われ、これによって利用限度額が決められますから、最初から利用限度額が総量規制の定める上限になることはまずありません。
やはり、最初に設定される利用限度額は極少額で、申込者にとっては不満の残る金額になるのが普通です。
しかし、この場合もやはり適正利用を続けていれば、自然と信用は上がってきます。
証書貸付の場合一度借りたら後は返済だけになりますが、カードローンの場合には、借りては返すという事を、利用限度額の枠内で繰り返せるところが違います。
ですからカードローンの適正利用というのは、借入れと返済が適正に行われているのかが評価されます。
例えば、借りたのはいいが返済が滞ってしまったというようでは信用は上がるどころか下がりますし、誰が見ても借り過ぎているというような場合にも、評価では疑問符が付くでしょう。
あくまで借入れが適度に行われて、しっかり契約通りに返すという事が信用を上げるためには大変重要になります。
ただし、カードローンの場合には、一度契約してしまうと、その契約は長く続くことになりますから、証書貸付のようにその都度申込んで審査が行われるという訳ではありません。
このため、カードローンの場合にはそのまま利用を続けていても、信用が利用限度額に反映される機会がありません。
ではずっと低い利用限度額のままなのかというと、要するに信用評価の機会を作ればよい訳です。
この評価の中で信用が上がっているという事になれば、総量規制の枠内ではありますが、利用限度額は増額されます。
もし信用評価が下がっていた場合には増額どころか減額されてしまう事もあるので、申し込みの前には自分が信用を下げるようなことをしていないかよく考えてみて下さい。
ここでキャッシングは年収の3分の1しか借りられないことについて纏めておきます。
銀行の場合には特に法的規制はありませんが、やはり内部規定で上限を設けており、通常年収の2分の1或はサラ金と同じように3分の1までとなっています。