キャッシングを利用するには金融機関が返済できる人かどうかの評価を行う審査に通過しなければならず、この審査では本人確認の他、返済能力や信用についての評価が行われる言ことになっています。
審査は誰でも通過できる訳ではなく通過できない人も少なくあません。返済能力の評価としては年収額と安定性が問われ、信用評価では信用情報内の過去の金融取引状況について調べられる事になります。
もし過去に何らかの信用上の問題があった場合には、ブラックという評価になることがあり、この場合、どこの金融機関に行っても、審査通過は難しくなります。
ですから、審査に通らなかった場合には過去の金融取引状況を調べてみる必要があります。
キャッシングは盛んに宣伝され比較的審査も甘いと考えられている為、お金が必要と考えた場合、すぐに申し込もうとする人がいますが、申込むためにはまず申込条件を満たさなければなりません。
要するに、この条件を満たしていなければ審査を受けることもできないという事です。
条件を満たしていて申込みができるという場合、次に控えているのが審査で、金融機関は貸したお金をしっかり返済してくれる人なのかどうかを、審査を行う事によって評価しています。
この審査では、まず申込者が本人なのかどうかの確認が行われ、次に返済するだけでの経済的な基盤を持っているか、そして、そもそも返済してくれると信用できる人なのかという点について評価されます。
キャッシングはテレビでも毎日のようにコマーシャルが流されていて、しかもそこから受ける印象では、誰でも利用できそうに感じてしまいます。しかし、実際はそんなことはありません。
金融機関というのは、利益を出すためにお金を貸しています。利益は返済時に支払ってもらう事になる利息から生まれるものですから、返済ができない場合には利益どころか元金まで失って大赤字になります。
このためキャッシングは事前に審査を行って返済できる人かどうかの見極めを行いますが、実はそれ以前の問題として申込みにも条件を付けています。
そこでまずこの申込条件を確認しておきましょう。申込条件はキャッシングそれぞれで違いがありますが、どのキャッシングにも共通して入っているのが次の2点です。
年齢制限は上限と下限が決められていて下限は20歳以上でほぼ共通しており、上限は65歳から70歳程度で、キャッシングによって違いがあります。
収入要件は殆どの場合、安定収入がある事が求められます。
これ等の申込条件が満たせていないのにキャッシングの申込みをしてしまうと、審査に通らない原因になるので注意しなければなりません。
申込条件が満たせていれば、申込むことはできます。しかしその後に控えているのが審査です。先ほど説明したように審査は返済してくれる人かどうかを見極めるために行われます。
もちろんこの中には先程の申込条件が本当に満たされているのかの確認も行われますし、申込みに当たって申告してもらう事になる情報に虚偽が無いかも調べられます。
もし審査の結果、申込者には返済が見込めないというような評価になってしまった場合には、審査に通過することはできません。
審査で何が行われるのかは、キャッシングごとに決められている審査基準で決まりますが、この審査基準は公開されないので、詳細は分かりません。
ただし、どのような点について確認や評価が行われるのかは分かっていて、次のようなことが行われています。
まず本人が誰かになりすまして申込んでいないかを確認します。自分では審査通過の見込み無いので他の人に成りすます訳ですが、こういった不正を行った場合、審査ではすぐに分かってしまいます。
返済能力の評価は実際に返済して貰えるだけの収入があるのかどうかが評価ざれ、年収などが調べられることになります。
信用の評価では、返済能力があっても、返済してくれると信用ができるかどうかが問われ、金融機関が利用者情報を共有するための信用情報が参照されて、過去の金融取引状況が調べられます。
借りれば後々返済の負担がかかりますし、利息という利用者にとっては損失を出すことになるのです。
説明したようにキャッシングはコマーシャルなどを見ていると誰にでも借りられそうに見えますが、実際には、審査は誰でも通してくれるものではありません。
ですから申込みの前に自分で評価してみることが必要です。
まず返済能力はある程度の年収が有る事と、月々安定した収入がある事が問われますから、まずは自分の年収を調べ、自分の収入の安定性を評価してみましょう。
信用の評価では金融機関が情報を共有するための信用情報が参照され、過去に金融取引上何らかの問題が無かったかどうかといったような事が調べられます。
このようにキャッシングの審査というのは金融機関にとっては利益が上げられるかどうかを判断するための非常に重要な事になります。
コマーシャルでは申込者を呼び込むために誰でも通過できそうな印象を与えていますが、実際にはこの審査に通過できない人は、容赦なく否決にされてしまいます。
安易な気持ちで申込んでも、金融機関の審査の壁というのは非常に厳しいものがあり、誰でも通過できると考えてはいけません。
では実際に評価はどのように行われるのでしょうか。まず返済能力の評価は次の2点で行われることになります。
一定額というのは200万円と言われますが、これは借入希望額なども考慮され、少額の借入れであれば、もう少し年収は少なくても融資に応じてくれるキャッシングもあります。
安定した月収と言うのは職業や職種によって評価されることになり、正規採用の公務員や企業の正社員という場合には、安定収入とみなされるのでこの点の評価は高くなります。
しかし、臨時採用の契約社員や派遣社員になると評価は下がり、パートやアルバイトになるとさらに評価は下がります。
また自営業者の場合には、安定収入とはなかなか見なされず、事業の状況を示す書類が要求される場合も有ります。
次に信用評価ですが、これは説明したように信用情報が参照されます。
このため、例えば過去に債務整理を行ったとか、ローンを滞納したというような、記録が残っていた場合には、審査通過は見込めません。
また、信用情報には電気料金や電話料金といった各種料金の支払い状況なども記載されており、滞納などが有れば、評価が下がってしまいます。
特に最近では、携帯電話料金の滞納が目立っており、例えば学生時代に支払えなかったことが有って、社会人になってからキャッシングの審査が通らないというような事も起きています。
このため、キャッシングを申込む場合には、過去に遡って、こういった問題が無かったかどうか、思い出してみることが必要です。
業者の中には審査は形だけというような場合も有りますが、返済がされなければ利益にならない訳ですから、こういった業者というのは回収に絶対の自信があるという事です。
要するにどんな取り立てをしてでも回収できると考えている大変怖い業者です。こういった業者は業者登録も行っていない闇金しかありません。
また信用情報内に金融機関が嫌うような情報が入っていれば、どの金融機関に行っても、審査での信用評価は非常に低くなってしまい、どこも審査を通してくれないブラックという状態になっている事も有ります。
ブラックになる原因としては、例えば過去に債務整理を行ったというようなことが挙げられますが、ローンや各種料金の支払いを滞納したという場合も、大変評価を下げるので原因となり得ます。
このため、もし審査が否決になってしまった場合には、自分の過去の金融取引がどうなっていたのかについて、調べて見る事が必要になるでしょう。
信用情報ではもう一つ注意が必要な事があります。それはブラックになっていないかということです。
ブラックというのはどの金融機関に行っても、審査に通過できない状況になってしまった人を言います。
これはもともと信用情報内にはブラックリストが有って、このリストに名前が載ってしまった人のことをブラックと呼んだことから現在でもこの言葉が使われています。
しかし、実際には以前も現在もこういったブラックリストは信用情報内には無く、金融機関は通常の審査を行って判断しているにすぎません。
では何故どこに行っても審査に通過できないのかと言えば、信用情報の記録の中に金融機関が共通して嫌うような情報が入っているためです。
ですから厳密に言えば、他ではブラック扱いをされたとしても、場合によっては審査に通過できる金融機関も中にはあり、絶対にキャッシングは利用できないという事ではありません。
ではどのような場合にブラックになってしまうのかというと、先程説明したような事があった場合という事になりますが、ここで整理しておきます。
ブラックになる原因 | 記録が信用情報に残る期間 | ブラックの種類 |
---|---|---|
債務整理 | 5年あるいは10年 | 金融ブラック |
ローンの滞納 | 5年 | 金融ブラック |
各種支払いの滞納 | 5年 | 金融ブラック |
ローンの申込み | 6か月を超えない期間 | 申込ブラック |
申込ブラックというのは短期間に何度も申込みを繰り返す場合、お金に困っていると判断されて、他のブラックと同様に金融機関には敬遠されるために起こるものです。
そこでもし審査が否決になって融資を受けることができなかった場合には、返済能力の評価はもちろんですが、一度過去の自分の金融取引状況について思い出してみる事も必要です。
さすがに債務整理を行ったり、ローンの返済を滞納したりすれば、金融機関とのやりとりも必要ですから、忘れてしまうというようなことはまずありませんが、各種支払いについてはそうとも言えません。
例えば携帯電話料金を滞納しても、何年かすればそんなことは忘れてしまっていることは珍しくありません。
そういう場合、どうしても審査に落とされる原因がはっきりしないという人は、自分の情報については信用情報の開示を請求することができます。一度請求して自分の金融取引状況を確認してみて下さい。
ではキャッシングの審査というのはどの程度審査に通過できるものなのかというと、大手消費者金融のカードローンの場合で、ほぼ40%台になっていて、半数以上は審査に通過できていません。
このため、安易に申し込めばお金が借りられるというような思い込みは危険で、審査の結果が否決になったとしても、次の対応が取れるように予め否決になることも想定して対応策を用意しておきましょう。
例えば、最終的に借入できなかった時には、自分の支出を遣り繰りして、必要なお金を捻出することも考えておくべきでしょう。
そうは言ってもキャッシングは他のローンと比べて審査は甘いと言われているから、審査に通過できないという人はそうはいないのではないかと考えている人もいるでしょう。
そのために、かえって審査に通過できなかった時のショックが大きくなる場合も有りそうです。
しかしキャッシングと言えども、実際にはそう審査は甘くないのです。大手消費者金融の場合、審査通過率というものを公表しています。審査通過率というのは申込者数に対する審査に通過した人の数の割合です。
これによれば、公表しているすべての大手消費者金融の審査通過率は40%台になっています。
つまり申込者のうち半数以上は審査に通過できていないということになります。
ですから、審査に落とされたのはショックかもしれませんが、一般的な目で見れば、珍しい話ではないという事になる訳です。
この数字を見れば分かりますが、審査は通過できない可能性の方が高い訳です。
キャッシングの借入れが必要という場合、何らかの目的でお金が必要という事ですから、借りられなければ、その目的の為のお金は調達できないという事です。
そうなった時には、目的によって判断は異なりますが、先延ばしにするのか、あるいは諦めるのか、また他での借入れを考えるのか、いろいろな対応方法があるでしょう。
こういった中から、申し込みの前に、借入できなかった場合を想定して、取るべき対応を決めておきましょう。
もし借入れできなかった場合、説明したように申込ブラックになってしまっていて、すぐには他の借入もできなくなってしまっている事も考えられますから、不要不急の目的であれば先に延ばすしかないでしょう。
しかし、借入れの目的が生活費の補填というような場合には、先延ばしも難しいですから、自分の支出内容を見直して、遣り繰りで凌ぐというような方法を考える必要があります。
そもそもキャッシングといういうのは安易な借入れをしてしまう場合が多く、よく検討して遣り繰りすれば借りずに済ませられることも、珍しいことではありません。
ですから、遣り繰りで凌げる可能性も十分あると考えられる訳です。
もちろん何にでも利用できる訳ではありませんし、申込みから貸付けまで時間がかかる事も有るので、そういった点については注意してください。
ここでキャッシングの審査が通らない理由について纏めておきます。
もし自分がブラックだと考えられる場合には、ブラックの間にそうなった原因を追究して再度そういったことにならないようにする対策を立て、着実に実施していく事が重要です。