ライフという会社はもともと広島が発祥で1976年からクレジットカードの発行を行っていましたがバブル崩壊のあおりを受けて2000年に倒産してしまいました。
その後大手消費者金融のアイフルの傘下に入り融資事業にも進出して消費者金融の側面も持つようになりましたが、貸金業法の改正から業績がが下り、2011年には融資事業などをアイフルが吸収しました。
現在のライフはアイフルの傘下で信販事業を行う会社になっていて、キャッシングもクレジットカードのキャッシング枠という形なら、現在でも利用する事が可能です。
ライフという会社はもともと広島に有ったもので法人格を持たない地域の商店のクーポン券を扱う組織から始まり、1961年に株式会社となって、1976年にライフを名乗るようになりました。
この1976年のライフになったのを機にライフカードの発行を始めクレジットカード事業に参入し、その後のバブル景気に乗って業績を伸ばしました。
しかしバブル崩壊後業績は伸びず2000年に会社更生法の適用を申請して事実上倒産してしまいました。
ライフと言えば現在ではクレジットカードを連想する人が多いはずですが、もともとは1952年に広島市周辺の商店街でクーポン券を運営するために作られた組織で当初は法人格も持っていませんでした。
翌年広島職域指定店協同組合が設立され、名称をいくつか変えながら1961年に広島職域クーポン協同組合という名称になりました。
また同じ1961年には組合員に対して融資を行う株式会社職域互助会が設立され、1963年に東洋信販株式会社という名称になりました。
さらに1967年に東洋信販株式会社は株式会社チケットひろしまとなり広島職域クーポン協同組合は協同組合チケットひろしまという名称に変わりました。
そして、1973年に株式会社チケットひろしまが協同組合チケットひろしまを吸収し、1976年にこの株式会社チケットひろしまが、株式会社ライフとなった訳です。
ライフになり、事業拡大を目指して発行されたのがライフカードで、この時点からクレジットカード事業が始まったという事になります。
その後順調に業績を伸ばして1978年には広島証券取引所に上場を果たし、さらに1979年には大阪証券取引所に上場しました。
そしてバブル期になって法人向け融資を盛んに行いましたが、バブル崩壊で、この融資が焦げ付くことになってしまい、急速に業績を落とし、1999年には1000億円に近い債務超過に陥ってしまいました。
その後2000年3月になり、広島証券取引所が東京証券取引所に吸収さえれたことから東証1部に上場しました。
しかし同年5月には、経営はどうしようもなくなっていて、会社更生法の適用を申請し、事実上倒産してしまいました。
ただし、ライフの事業自体には魅力が有ったのか、30社を超える会社が支援を申し出ることになりました。
このため、バブル崩壊後は多くの企業がライフと同様に倒産することになってしまったのです。
倒産後の2001年に大手消費者金融のアイフルの支援を受け再建に乗り出し、同年アイフルの完全子会社となって、融資業務としてプレイカードというカードでカードローンを始め消費者金融となりました。
しかし貸金業法の改正で、業績が悪化してしまい、2011年にはカードローンでの融資の取り扱いを停止してしまいます。
その後融資業務は親会社のアイフルが吸収することになって、消費者金融としてのライフは10年の歴史に幕を閉じ、この時点で消滅することになりました。
様々な企業がライフへの支援を申し出たわけですが、結局支援に乗り出したのは大手消費者金融の1つであるアイフルで、2001年にライフはアイフルの傘下に入り、再建を進める事になりました。
そこで始めたのがローンカードのプレイカードで、ライフはこの時点でカードローンを運営する消費者金融としての側面を持つことになりました。
このプレイカードには有効期限が無く、また審査時間が非常短く、しかも、この時期では珍しくカードを即発行していましたから、急にお金が必要になった人には大変便利なカードローンだったはずです。
つまりこの時点でプレイカードは申込みができなくなってしまい、消費者金融としてもライフは事業拡大はできなくなったわけです。
総量規制というのは少額融資の特例を除いて、年収の3分の1までしか融資ができなくなってしまい、融資に足枷ができたわけです。
更にグレーゾーン金利というのは、法律間の上限金利の食い違いからできたもので、消費者金融は金利が高いほうが有利ですから高いほうの金利を基にしていたわけです。
ところが貸金業法の改正で低いほうの金利の適用が求められたために、その分利益は少なくなり、さらに過去に遡って取り過ぎた分の利息を利用者の要求に従って返還しなければならなくってしまいました。
これを過払金と言い、ライフは利益が減った中で、この過払金への対応が非常ぬ苦しく、経営が急速に悪化したのです。
この話はアイフルとしても同じことが言えて、経営環境は良くなかったはずで、傘下の企業の再編を考えざるを得なくなってしまいました。
そして、この時にライフは消費者金融としての融資業務と、クレジットカード業務の2つで会社を分割して、融資業務の方はアイフルによって吸収されることになりました。
ここに至って消費者金融としてのライフは完全に無くなってしまったという事になります。
アイフルは独立を保ちましたが、他の大手消費者金融が現在銀行の傘下に入っているのも、この時に支援を受けたためです。
大手がつぶれてしまっては銀行も困るという事で支援されましたが、中小の場合には支援も受けられず実に当時あった消費者金融の半数が消えてしまったと言われるほど大きな影響がありました。
ただし、消費者金融としてのライフは終りましたが、クレジットカード事業の方は、ライフカードが継承しているので、現在でもクレジイトカーフドではライフカードを作る事が可能です。
このためライフという名前を残すキャッシングとしてはこのライフカードのキャッシング枠だけという事になります。クレジットカードと併用でたまにキャッシングを利用するのであれば問題はありません。
ただし、クレジットカードでもキャッシングについては審査が厳しくなるので、場合によってはキャッシング枠が付かない事もあり申込みには注意しなければなりません。
このアイフルによる融資業務の吸収合併でクレジットカード事業は分離されて残りましたが、これは分離前に設立されたライフカードという会社が継承するという事になりました。現在ライフカードを提供しているのが、このライフカードという会社です。
この会社分割も説明したようにアイフル傘下の事業見直しで行われたものですから、このクレジットカードのライフカードが残ったというのもアイフルの事業としては大変重要だったと考える事ができます。
クレジットカードというのは今後予想されるキャッシュレス時代には必要不可欠のもので大きな利益が見込めます。
ですからアイフルとしては本業の融資業務と並行して傘下の会社でクレジットカード事業を伸ばそうとしている訳です。
ここで話をライフに限ってみた場合、消費者金融のライフは無くなってしまいましたからキャッシングの利用はできないのかという話になりますが、そうでもありません。
クレジットカードにはキャッシング枠がありますから、利用方法としてはローンカードと同じような利用方法でキャッシングの利用が可能です。
ライフカードのキャッシング枠の仕様は次のようになっています。
商品名 | - |
---|---|
利用限度額 | 200万円まで |
金利(年利) | 13.505%~18.0%(カードの種類や利用金額によって違う) |
返済方式 | 翌月一括払い、残高スライド元利定額方式 |
ただし、クレジットカードではどれでも注意しなければならない事ですが、キャッシング枠は必ず付くという訳ではありません。
クレジットカードの審査はショッピング枠とキャッシング枠で分けて判断されることになりますが、ショッピング枠の方は比較的審査が甘く、多くの人が利用できます。
しかし、キャッシング枠は、カードローンと同じ程度の審査の厳しさがありますから、審査に通過できないような人も少なくありません。
このためクレジットカード自体はショッピング枠で作れたとしても、キャッシング枠は0になっていることもあるのです。
ですからキャッシング枠を目的にクレジットカードを作ったとしても、実はキャッシングの利用ができないという事もあるので、注意しなければなりません。
これは金利がクレジットカードの場合、当初はカ-ドローンと同程度になりますが、カードローンのように将来的に下がっていく余地がほとんどありません。
ですからクレジットカードでキャッシングが主な目的という場合には、あまりお勧めすることはできません。別のカードローンを探すべきでしょう。
説明したようにライフの融資業務はアイフルに吸収されましから、ライフの融資を利用していた利用者の残債務はアイフルが引き継いでいるということになります。
このため、例えばライフを利用していた頃に過払金があった場合の返還請求はアイフルに対して行う事ができます。ライフに過払金があるのであれば遠慮せずに返還請求してください。
ただし返還請求する場合には、アイフル相手に素人が交渉しても、良い結果は期待できませんから、弁護士に依頼するべきでしょう。
アイフルがライフの融資業務を吸収合併したと説明しましたが、その時には利用者の募集は止めていても、その時点で利用中の人については、アイフルの利用者に移ったわけです。
これは返済だけしている人についても同様ですし、以前にライフで融資を受けていた人の記録についても、アイフルが引き継いでいるということになります。
ですから、利用していた時の明細などが必要になった時も、ライフは無くなってしまいましたが、アイフルに請求すれば、対応してもらえるという事になる訳です。
普通はそんなことが必要になることは無い訳ですが、そもそもライフの経営が行き詰った原因である貸金業法の改正でできてしまった過払金があるためアイフルへの問合せが必要な人も出てくるでしょう。
過払金は業者側から返還してくれるわけではなくて、利用者側から返還を請求しなければなりません。
このため、ライフ利用者はライフが無くなってしまって請求できなくなってしまったと途方に暮れてしまうかもしれません。
しかし利用者情報はアイフルが引き継いでいるという事を知っていれば、アイフルに対して返還請求できる訳です。
ただし、返還を請求すれば請求しただけ返還されるという訳ではなく、請求後は請求者と業者の間で交渉が行われ、実際に返還される金額が決定されることになります。
ですが、業者側はその道のプロでいろいろと理屈をつけて返還額を減額しようとしてきます。
例えば大手消費者金融であるアイフルを相手に金融の素人である自分が対峙している場面を想像してみてください。とても勝てるとは思えないでしょう。
弁護士費用が掛かりますが、それを含めて考えても、やはりお得になると考えられます。
過払金というのは消費者金融のお金ではなく、利用者のお金ですから、返還請求は遠慮する必要はないのです。
ここで消費者金融ライフについて纏めておきます。
ライフのように以前融資業務を行っていた有名消費者金融で既に無くなってしまったような業者の場合、その名前を闇金が悪用することがあるので消費者金融を利用する場合は闇金に十分注意してください。