キャッシングというのは返済することを約束することで融資が行われ、返済の条件は契約によって決められ、金融業者側もこの契約に沿って利益が入るという計算を行います。
もしこの契約通りの金額の返済が難しくなった場合には、すぐに業者に連絡を取って、一時的に返済額を減額して貰う等の対応を取りましょう。もし一時的では済まない場合には債務整理を考えることも必要です。
債務整理を行った場合には、契約内容が見直されることになり業者的には予定していた利益が入らなくなって、信用情報にも記載される為、信用が崩壊することになり、しばらくはブラックとして扱われます。
キャッシングというのは慈善事業をやっているわけではなくて、融資を行う事で利益を得ているので、利用開始前に返済することを約束するからこそ貸してもらう事ができる訳です。
返済についての条件は審査の後交わすことになる契約によって決められることになり、キャッシングはこの契約に則って行われることになる訳です。
サラ金などの金融業者はこの契約に基づいて返済されることを前提に利益計画を立てます。ですから利用者には契約に基づく返済は必ず行ってもらわなければ計画通りの利益が上がらない事になります。
キャッシングというのは申込めば誰でも貸してもらえるというものではなくて、申込み後に行われる審査に通過しなければなりません。
しかし実際には審査に通過しただけではまだ融資の利用はできず、さらに契約を交わしてからでなければ、融資は行われません。
この時の契約書を見れば分かりますがキャッシングの利用にあたっての様々な事項が記載されています。その中でも重要になるのが返済についてです。
要するにキャッシングを利用する場合には、実際の融資が行われる前に契約の中で借りたお金は必ず返済しますという約束をしている訳です。
金融業者側も、そういった約束がされて、返済される事で利益が見込めると判断する訳で、その約束を信じて貸している訳です。
この返済の約束では返済の条件が含まれているので、契約を交わしたらこの返済の条件に従って、借りたお金を返済していく事になります。
返済の条件としては、キャッシングによって違いますが、例えば次の2つがあるというようなことが説明されます。
この場合約定返済というのが月々指定された返済方式に従って返済していくもので、随時返済というのはいつでも幾らでも返済できるというものです。
多くのキャッシングではこれらを組み合わせて返済していく事になります。
また約定返済を行っていく為の返済方式というのは例えばカードローンの場合次のようなものがあります。
返済方式 | 内容 |
---|---|
リボルビング方式 | 借入残高にかかわらず元金の返済分と利息の合計が月々一定額を返済する方式 |
残高スライドリボルビング方式 | 借入残高を段階的に区切って借り入れが高額になると元金の返済分と利息の合計の返済額も高額になる方式 |
ただし最近では前者を採用しているところは少なくなっており、多くのカードローンは後者の残高スライドリボルビング方式で返済していく事になっています。
また返済はこの返済方式でも触れていますが元金だけ返済すれば良い訳ではなくて、審査で決められた金利に沿って利息を支払っていく必要があり、この点も契約書に明記されて約束することになります。
金融業者というのは、契約を交わすと、当然利用者はこれを守ってくれるという前提で、利益の予定を立てる事になります。
金融業者というのは例えば消費者金融の場合銀行からお金を借りて利用者に融資を行います。
そこで銀行に支払う利息よりも高い利息を利用者に支払ってもらって、この利息の差額を利益にしています。
このため約束通りの返済が行われなければ、利益どころか元金分の回収もできなくなりますから、大きな赤字になってしまいます。
ですから審査を行って返済の見込みのある人に対して契約という約束をして融資をしている訳です。
しかし契約というのは本文で説明しているように利用者と金融業者間の約束ですから、内容を知らないというのは良くありません。
必ず契約前に目を通して分からない部分が有ったら金融業者側に確認するようにして下さい。
もし利用中に返済できなくなってしまった場合には、すぐに業者側に連絡して、返済についての協議を行わなければなりません。そのまま返済できないのでは業者の信頼は崩壊してしまいます。
契約にもよりますが、こういった場合には一時的に返済額を減額してもらえる事になっていますし、そういった規定が無かったとしても、交渉次第で最低利息分だけの入金にしてもらえる可能性があります。
もし一時的な対応をしてもらっても、その後も返済の見通しが立たないと言う事であれば、契約内容を見直して返済できるように変えてもらうために債務整理が必要になります。
しかし、カードローンのようなものができてキャッシングの借入れというものが一時的なものではなくて、長期的に利用するものになって来ていて、長期に返済していると返済が厳しくなることも出てきます。
この場合契約で返済を約束している訳ですから、そのままでは契約違反になってしまいます。
そこでもし返済が厳しくなってしまった場合には、すぐに金融業者側に協議することが大切です。
金融業者側も返済されなければ予定していた利益が得られませんから、相談に乗ってくれますし、そもそもそういったことは業者的に見れば珍しい話でもないので、様々な対応を考えてくれます。
そこでもう一度契約内容を確認してみると、最近のキャッシングの契約では、予め返済が厳しくなった時の対応も記載されている場合もあり、例えば次のようなものがあります。
最近では一時的に返済額を減額してくれるというものが多いようです。
もし既にキャッシングの契約を行っている場合には、一度契約書で確認してみて下さい。
もし契約書に例えば一時的に減額が明記されている場合、それも約束の一部ですから、減額して貰っても特に問題になることはなく、契約通りという事です。
また契約書にこういった記載が無かったとしても、相談するという事で、業者側は返済する意思はあると考えますから、やはり一時的な減額を認めたり、最低利息分の支払いにしてくれたりします。
要するに業者側としては利益に繋がる利息が確保できれば、取り敢えずは良いという事です。
しかし返済が難しくなるのはこういった一時的なものだけとは限りません。
例えば返済の基になる収入が失業や病気などで断たれてしまった場合、長期に渡って返済が難しくなってしまう可能性も出てきます。
そうなると契約書で交わされた約束を守る事ができない為、契約の内容を見直して、返済できる内容に変えてもらうために債務整理を行わなければならなくなることも有ります。
債務整理には次のようなものがあります。
債務整理の種類 | 内容 |
---|---|
過払金請求 | 本来支払う必要のない払い過ぎたお金の返還を請求するもので、これはグレーゾーン金利の廃止などで発生したものを取り戻すときに行います |
任意整理 | 借入額の減額や金利の変更によって返済額を減額して返済がでる金額にします |
民事再生 | 返済が困難だと裁判所に認めてもらって借入れを減額して貰い3年から5年で返済していきます |
自己破産 | 返済が不可能と裁判所に認めてもらって支払い義務を免除してもらいます |
1つ目の過払金請求はちょっと毛色が違いますから、返済が難しくなった場合には、残りの3つのどれかを行う事が必要になります。
そこで法的に差し押さえなどに入る前に本文で説明しているような債務整理を行う事になります。
債務整理で契約内容が見直されることになると、金融業者側は当初計画した利益計画が実現できなくなってしまう事になります。このため金融業者は減収になる為、たいへん厳しい対応が行われます。
このように金融業者的に言えば債務整理はとんでもない行為と映りますから、利用者の信用評価というものは、完全に崩壊して利用している業者だけではなく他の業者も信用してくれなくなってしまいます。
このように金融業者としては大問題を起こしたわけですから、債務整理を行ったことは信用情報にも記載が残り、以後しばらくの間はブラックとして扱われることになります。
債務整理ができれば、返済できなかった債務の返済ができるようになりますが、債務整理の内容を見れば分かる通り、債務整理というのは契約内容を見直して、場合によっては借入額を減額して貰う事になります。
つまり、当初交わした契約は履行されず、返済するという約束は果たされなかったという事です。
金融業者としては利益に繋がる利息が予定通りに入らないだけではなく、借入額が減額されてしまえば、元金の回収もできない事になって、大赤字に繋がってしまう訳です。
このため債務整理の話し合いというのはそう簡単には進まず、借り手と金融業者では話がまとまらず、裁判所の判断を仰ぐ必要もしばしばあります。
当然ですが、金融業者としてはこういった事態はとんでもないことで、怒り心頭と表現しても良い状態でしょう。
このため、債務整理を行ったという事は信用情報に自己破産の場合10年間、その他の場合でも5年間記載されることになります。
したがって、この期間というのは利用者の信用というものは崩壊してしまう事になり、この情報を見た金融業者がどこも利用者のことを信用してくれなくなってしまいます。
人生には様々な時点でお金が必要になる事があります。例えば住宅の購入もそうですし、子供の進学などもそういった時点と言えるでしょう。
そういう場合を想定して金融業者はお金が借りられるようなローンを用意していますが、もしこういった時期にブラックになっていた場合、このように必要なお金の借入れもできなくなるので、かなり深刻です。
借り入れできないと言ってもキャッシングだけだろうなどと安易に考えている場合も有るかもしれませんが、こういった人生を左右するような借り入れもできないのです。
ただしブラックの人の場合同じことを繰り返す場合があり、あまり利用は勧められません。できるだけ借りなくて済ませることを考えましょう。
このように信用を失ってしまう債務整理はできるだけ避けるべきで、そもそもそういった事になってしまうような借入れ自体に大きな問題があったと考えなければなりません。
そこでお金が必要と考えた時には、いろいろ考えずすぐに借り入れしてしまうのではなくて、まずは借りずに済ませる事が出来ないかどうかをいろいろと考える事が必要です。借りなければ返済も必要ないのです。
借りるにしても、いろいろ考えれば、捻出できるお金が必ずありますから、その分借入れは少なくなり、それによって債務整理になってしまうようなことを避けられる可能性もある訳です。
債務整理は返済できなくなってしまった時に対応するための方法として、大変重要なものと言えますが、説明したように自分の信用を失うもので利用者側から考えてもリスクの高いものです。
ですから、お金を借りる場合には、自分の返済能力を見極めておいたり、先々を見通して返済できなくなるような可能性がある場合には、借入れを見合わせるなどの対応が必要です。
また既に借入れしていて、雇用や体調に問題が出そうな場合には、周囲にも相談して、場合によっては助けてもらう事も必要なことです。
重要なことは早め早めの対応で、問題が大きくなる前に解決してしまう事を心がけることでしょう。
また借入前にも注意が必要です。最近はカードローンなどのキャッシングができて、非常に簡単にお金の借入れができる様になってしまっているためにお金が必要と考えた場合、安易に借入れしてしまいます。
しかし以前は借り入れする場合は担保や保証人が要求されるなど、そう簡単には借入れできませんでした。このため、お金が必要になっても、まずは遣り繰りで凌ぐというようなことに頭を使ったものです。
こういったことが現在の人にできない訳はないのです。
そのためには自分の支出内容を見直して、不要不急の部分を探し、そういった出費を減らしていくことが必要でしょう。
借り入れしなければ、返済できなくなるようなことも有りませんし、債務整理に進まなければならないようなこともないのです。
もしどうしても借入れしなければならないという場合でも、今説明したように借入れせずに済ませる方法を考える事で、多少でも節約できる部分は見つかるはずですから、借り入れを少額にはできるはずです。
そうすれば、その分返済は短期間で終りますから、返済できなくなる可能性も減るはずです。
また、自分で考えときには、どうしても借入れが必要と思えたとしても、ほかの人の目では無駄な部分が見つかる可能性も有るので、借り入れを考えた時には周囲に相談してみる事も良い方法です。
ですから今はお金を借りる予定が無かったとしても、今からその時の為に記録を残しておくようにしましょう。
ここでキャッシングが返済できなくなったときの債務整理について纏めておきます。
債務整理を行った場合には、2度と同じことを繰り返さないように、そうなった原因と対策を考え、確実に実施しておくようにしてください。その前には安易な借入はしないようにしましょう。