金融機関というのはお金を貸して利息を支払ってもらって利益をあげます。利息というのは金利を基に計算されますが、借入元金や借入期間も影響します。借入金利には法的上限がありそれ以上にはなりません。
借入金利は各ローンによって違いがあり利用目的が決まっているローンの方が低金利です。何にでも利用できるキャッシングの場合銀行とサラ金では違いがあり、金利だけで見れば銀行の方が有利になっています。
しかしキャッシングのお得さというのは金利だけで判断するべきではありません、金利を決めるほかの要素によっても違ってくる為、自分の利用方法から実際に利息を計算してみて有利不利を判断すべきでしょう。
金融機関は慈善事業をやっている訳ではなく、お金を貸して利益を得ている企業で、その利益は融資したお金を返済してもらう時に一緒に支払ってもらう利息から出ています。
この利息というのは借入金利等を基に計算が行われ、借入金利が高ければ高いほど高額になっていく事になります。ですから、銀行やサラ金はできれば高い借入金利でお金を貸したいと考えています。
ただし、この借入金利があまりにも高くなってしまうと、利息は非常に高額になって利用者は返済に苦慮しかねません。このため借入金利には法的な上限が設けられていて、それ以上に上げる事はできません。
金融機関というのはお金が必要な個人や企業にお金を供給するという意味で、大変重要な位置を占めますが、金融機関も資本主義社会における企業の1つにすぎません。
したがって、金融機関も利益をあげなければ存続することができません。銀行の場合で言えば、この利益は預金者からお金を預かってそのお金を必要な人に融資をし、両者の利息差から出しています。
サラ金の場合は預金の受付は行っていませんから、まずは銀行からの融資を受け、そのお金を必要な人に貸して、やはり、その両者の利息差から利益を得ています。
大きなお金を動かしていますが、利益は利息の差ですから、そんなに大きなお金にはならない事が分るはずです。
この利息というのは、金利によって計算されるという事は一般的によく知られていることですが、実際にどう計算されるかという事は、知らない人も多いでしょう。
利息というのは次の数式で計算されます。
つまり利息というのは借入金利だけで決まる訳ではなくて、借入残高や借入期間にも同じように影響を受けることが分かるはずです。
先程説明したように金融機関は利益を追求する企業です。このためできるだけ利益を上げようと考えますから、利息は多いほど良い訳です。
利息を上げるには融資を増やすことも考えられますが、手っ取り早いのは借入金利を上げる事です。
しかし、あまり上げ過ぎると利息は増えますが、利用者は高額の利息で重圧を感じるようになり別の金融機関に逃げてしまいますし、利息が膨らみ過ぎて返済が難しくなり自己破産に追い込まれる事も出てきます。
このため利用者を保護するために、借入金利には法的な上限が付けられています。
これは利息制限法によるもので、次のようになっています。
借入額 | 借入金利の上限 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
融資を利用しようという場合、もしこれ以上の金利を付けていたら、それは正規の金融機関ではありません。別のところを利用しましょう。
このためサラ金などは上限金利が高い出資法の法を根拠に借入金利を決めていました。
しかし結局貸金業法改正で、この状態が解消され、利息制限法で計算することになり、それまで取り過ぎていた利息は過払金となり返還に応じなければならなくなりました。
ローンというのはキャッシングだけではなくて、様々なものがあり、それぞれ借入金利が設定されていて、それらの金利の間には、大きな差があり、同じ金額を借りても返済総額はかなり違います。
カードローンを含めたキャッシングだけに絞った場合でも銀行のものとサラ金のものではやはり違いがあり、最高金利で比較しても銀行は14%台になっているのに対して、サラ金は18%になっています。
ですから、金利だけで有利なキャッシングを判断するとすれば、やはり銀行のカードローンが最もお得という事になるでしょう。
ここではキャッシングについて話を進めていきますが、ローンと言うのは様々なものがあり、キャッシングもその1つです。
ローンを分類すると、大きくは次のように分けることができます。
ローンの分類 | 意味 |
---|---|
目的別ローン | 借りたお金の利用目的が決まっているローン |
フリーローン | 基本的に借りたお金は何にでも利用できるローン |
目的別ローンはさらに住宅ローンや自動車ローン、教育ローンと言ったおなじみのローンが並びますし、フリーローンにはキャッシングなどが入る事になります。
これ等のローンはそれぞれ借入金利が設定されており、すべて同じ金利で借りるという事はありません。
一般的に言えば目的別ローンの方が低金利で、フリーローンは高金利の設定になっています。
そこでキャッシングを考えてみると、キャッシングにも銀行や大手サラ金が提供しているカードローンや中小サラ金が提供している証書貸付のキャッシングなどがあり、それぞれ金利が設定されています。
これ等のキャッシングの借入金利の上限を比較すると次のようになっています。
キャッシングの種類 | 借入金利の上限 |
---|---|
銀行のカードローン | 14%台 |
大手サラ金のカードローン | 18% |
中小サラ金のキャッシング | 18%~20% |
もちろん金利設定は法律に抵触しない範囲で、金融機関が自由につける事ができますから、これから外れるところも有ります。例えば銀行の中には13%台を付けている場合も有ります。
表をみれば分かりますが、金利を見た場合には、銀行のカードローンが最もお得という事ができます。
しかし、一般的に言えば銀行は審査が厳しいとされているので、大手サラ金や中小サラ金の利用者が無くなるという訳ではありません。
いろいろな金融機関が競争することによって、現在これ等の金利に落ち着いているという話です。
今後も経済的な変動が有れば、こういった仕組みが変わってくる可能性も出てきます。
キャッシングを利用する場合には、その時点の金利はどうなっているのか、よく調べてみて下さい。
信用が高ければ低金利で借りられますが、低ければ高金利になります。
これは審査にも影響し、審査が厳しい金融機関では比較的低金利で借りられますが、審査が甘い金融機関では高金利になる訳です。
これが本文で示した金融機関ごとの金利の比較にも表れていて、銀行は審査が厳しいので低金利で借入れできますが、サラ金は審査が甘い代わりに金利は高いという訳です。
ただし、キャッシングのお得さというのは金利だけでは判断できません。お得さというのは元金の返済以外に掛かるお金で判断すべきで、金利というのはそれ自身はお金という訳ではありません。
ですから、本来お得さを考える場合には、借入金利を基に計算される利息で判断するべきものです。この利息は説明したように借入金利だけで決まる訳ではなく、借入元金や借入期間にも大きく影響されます。
そこでお得なのかどうかを考える場合には、自分の利用方法をよく考えて、実際に利息が幾らになるのか計算してみるのが一番分かりやすいでしょう。
このように借入金利でお得さを図ることができる訳ですが、実際の話はそう簡単に判断できるものではありません。
もう一度利息を計算する数式を見て下さい。
説明したように利息というのは金利だけで決まる訳ではなく、借入残高や借入期間にも金利と同じ程度に影響されるものです。
ですから金利だけを気にしてキャッシングを選んでも、実際利用してみたら、それほど利息は低くならなかったという事も十分考えられることです。
例えば、少額の借入れをして短期に返済してしまう場合を考えてみましょう。生活費の補填というような場合にはこの様な利用方法になるはずです。
この場合借入額は少額ですし、借入期間も短くなりますから、金利は利息にはそう影響せず、金利が高かろうが低かろうが殆ど利息は変わらないと考えなければなりません。
これに対して高額の借入れになると、借入期間も長期化することになる為、キャッシングの利用方法として妥当なのかという問題も有りますが、そういう場合には金利の高低が利息に響いてきます。
そこでキャッシングを選ぶ前に、まず行っておいてほしいのが、自分の利用方法はどのようなものなのかを見極めることです。
何となくお金を借りるという人はいない筈ですから、何の目的でお金っを借りなければならないのか、よく考えてうえで、自分の利用場面を想像してみて下さい。
そうすれば、少額の借入れを繰り返し短期に返済してしまうのか、あるいはたまに高額のお借り入れを行って長期に返済するのかが、よく見えてくるはずです。
それに合わせて、自分に合ったキャッシングを選ぶというのが、良い選び方と考える事ができます。
遣り繰りで凌げれば、利息で損得を考える必要も無く、最もお得です。
自分の支出内容をよく考えて、節約できる部分を探して、まずは遣り繰りすることを考えてみて下さい。
お得さを考える場合、実際にはこの利息以外にも支払わなければならないお金が発生する場合があります。これはATMの利用手数料等各種手数料で、利用方法によって掛かるため、これも考慮しておきましょう。
またキャッシングは一度限りの利用では終わらず、カードローンの場合など何度も利用するものです。ですからお得さだけではなく便利さについても目を向けこの両者の兼合いで考える必要があります。
後は自分が何を重視しているのかで、選び方が変わってきますから、自分ならキャッシングに何を求めるのかよく考えて、自分に合ったものを選ぶようにしてください。
次にキャッシングを利用する場合の様々な注意について説明していきます。
利息でキャッシングの損得を判断するのは、借入金利だけで判断するよりも実態に合った判断ができるはずですが、実際にはこれでも考慮が足りない部分があります。
キャッシングを考える場合、借りた元金を返済するのは当たり前ですが、それ以外に掛かってくる費用があるから、損得が出てくることになる訳です。
その余分にかかる費用としてここまで利息を考えてきたわけです。しかし余分にかかる費用というのは何も利息だけではありません。
例えば、ATMから融資を引き出す場合を考えてみましょう。特にサラ金の場合にはATM網は銀行のものより小規模です。ですから利用者によっては様々な提携先のATMを利用することになります。
この提携先ATMを利用する場合利用手数料がかかるものが多く、これが利息と同じように余分の掛かる費用という事ができます。これは返済の場合も同様です。
また返済では銀行振込を利用する場合も有りますが、この場合には振込手数料がかかる事になります。
計算して見れば分かりますが、借入金額や利用方法によっては、この各種手数料の方が利息よりも高額になる場合もあるので、決して軽く見てはいけません。
キャッシングのお得さを考える場合には、こういった各種手数料も自分の利用法に即して考えておかなければなりません。
また、キャッシング選びでは他のローンとは違う視点を持つことも必要になります。
ここまでは借入金利から、お得さという面で話を進めてきましたが、キャッシングではそれだけを考えていると重要な視点を見逃してしまいます。
キャッシングは銀行や大手サラ金の場合カードローンになりますが、これには他のローンには無い特徴があり、それは何度も借りたり返したりを繰り返せるということです。
要するに利用方法によっては大変便利に利用できる訳です。そこでお得さに並ぶもう一つ重要な視点というのは便利さです。
いくらお得でも、借入ができるATMまで行くのに交通費をかけていかなければならないというようなものでは、不便で仕方がありません。
こういった選び方の場合、ネット等で読んだ他人の利用方法を参考にして考える人もいますが、それでは、その人には使い易かったとしても自分にも使いやすいのかどうかは分かりません。
ですから参考にするのは構いませんが、より重視しなければならないのは、自分がどう考えるかという事です。
キャッシングに限りませんが、他の人を参考にすると、みな同じようなものになってしまいます。しかし人間にはそれぞれ、考え方の違いがあり、そういった社会の方が多様性が出て良いのです。
ですから、キャッシングを選ぶにしても、自分基準で考える事が重要なのです。
カードローンはあまりに便利にお金が借りられますから、自分のキャッシュカードのような気になって借り過ぎてしまいがちです。
ですから、利用するときは本当に必要な借入れなのか、よく考えるようにすることが大切です。
ここで、借入金利について纏めておきます。
キャッシングは便利ですが金利的に考えれば不利ですから、お金の利用目的によっては目的別ローンの利用を考えたほうがずっと有利な借り入れができる事を忘れないようにしましょう。