ローンを返済する場合、返済方法には月々一定額の返済を行っていく約定返済と、いつでもいくらでも返済できる随時返済があり、これらを併用して、返済していく事も可能になっているのが普通です。
この随時返済を利用すれば繰り上げ返済という事になり、元金を減らすことができますから、後々約定返済を行う場合の利息計算が有利になり、かつ返済期間が短縮されるのでお得な返済になります。
ただし、だからと言って無理をして繰り上げ返済を行ってしまうと、生活資金を圧迫する事に繋がる為、場合によってはそれが新たな借入れに繋がり、繰り上げ返済を行った意味がなくなるので注意してください。
ローンで融資されたと言うお金は給付されるものではなくてあくまで借りたものですから返済しなければなりません。
この返済は通常約定返済と言って月々決められた方式によって計算された金額で行っていく事になりますが、返済方法としてはこのほかにも随時返済というものがあり何時でも幾らでも返済できるのが普通です。
この随時返済を利用すれば、当初予定の返済期間を前倒して返済することになりますから、事実上繰り上げ返済という事になるわけです。
ローンと言うのは金融機関が利益を出すために提供している金融商品で、借りたら借りっぱなしという訳にはいきません。
借りたものは契約に従って返済していかなければなりません。返済には通常次の返済方法が用意されています。
約定返済というのは月々決められた返済方式によって算定された元金分と利息分の合計額を返済していくもので、随時返済というのはいつでもいくらでも返済できるというものです。
返済する場合にはこの２つの返済方法を併用して返済することができます。
多くの場合には、ローンは約定返済で月々返済していくものという認識があります。
このため、例えばリボルビング返済方式のように月々一定額を返済したり、最近は借入額によって段階的に返済額が決まる残高スライドリボルビング返済方式で決められた金額を月々返済することになります。
ローンの返済は、この約定返済を完済まで続けて返済している人が多く、次に説明する随時返済を併用する人というのはそう多くはありません。
では随時返済がある意味というのはどのようなものなのかと考える人もいるでしょう。
まずどのような時に随時返済を利用するかというと、月々は約定返済で目いっぱいという人も多いでしょうから、随時返済は月々の収入とは別に臨時に収入があった時に利用できるでしょう。
例えば会社員で言えば、月々の給与で約定返済を行うとすれば、賞与が出た時に随時返済を利用すれば良い訳です。
自営業者の場合には会社員程収入が安定しませんから、いつもよりも収入が多かった月には約定返済の他に随時返済を利用すれば良いでしょう。
この随時返済を利用すれば元金を減らすという効果がありますから、後々約定返済で返済する分を繰り上げて返済できるという事になります。
これは自営業者を対象にしたもので、安定収入が無くても、収入があった時に何時でも返済できる柔軟性のあるキャッシングと考える事ができます。
返済では借入れた元金だけを返せばよいという訳ではなくて、これに加えて利息を支払わなければなりません。
ですからこの利息分は利用者にとっては損失でローンをお得に利用するというのはこの損失を少なくするという意味になります。
この利息は返済中の借入残高に掛かりますから、借入残高が少なくできれば少額になります。そこで先程説明した繰り上げ返済を行う事によって借入残高を減らせば、ローンをお得に返済できる訳です。
しかも繰り上げ返済後の約定返済も借入残高が減れば、返済期間はその分短縮されますから、その分でも利息を減らすことが可能という事になりるのです。
この随時返済を利用すると実はお得になる面があるのですが、それを説明する前に、それを理解するために利息について説明します。利息というのは次の計算式で計算されます。
良く利息と金利の関係が整理できておらず、利息を考えるときには金利で考えればよいと考えている人もいますが、実際は利息というのは金利だけでは決まらず、借入残高や借入期間にも同じように影響されます。
キャッシングもそうですが、ローンの損得を考える場合には、この利息が多いか少ないかをよく考える事が必要です。
そこで繰り上げ返済について考えてみましょう。先程繰り上げ返済を行えば借入元金を減らすことができると説明しましたが、要するにこれが借入残高という事です。
したがって繰り上げ返済をすれば、借入残高が減りますから、次の約定返済からは、その借入残高で利息が計算されることになるので、その分利息が減る事になります。
ですから、この減った分が当初よりもお得になったと考える事ができる訳です。
またキャッシング返済では、返済額は一定で変わりませんが、利息分が減る事になるので、元金の返済分が増える事になって、その分、効率の良い返済ができるようにもなります。
さらに、この効率の良い返済によって、完済までに行わなければならない約定返済の回数が減る事に繋がるので、借入期間も短縮されることになります。
借入期間が短縮すれば、その分でも有利な返済になりますから、繰り上げ返済というのは、お得な返済を行うためには大変効果のある方法と言えるでしょう。
ですから、余分な資金があるのであれば、少額であっても随時返済を利用して繰り上げ返済を行いましょう。
お得さを追求するのであれば、随時返済の利用が重要なことは本文を読めば分ると思います。
これに対して便利さを追求する場合にも金利などで若干他よりも不利になる可能性のある部分を、随時返済を上手に利用する事で帳消しにできることも有るのでやはり随時返済の利用は重要なのです。
それならとくかく無理をしてでも繰り上げ返済してしまえば、お得だろうと考え、闇雲に繰り上げ返済をしてしまう人もいますが、そういった場合無理な返済で後々生活の為のお金が足りなくなるかもしれません。
そうなってしまうと、結局新たな借り入れに繋がってしまう可能性も有り、これでは繰り上げ返済した意味が全くなくなってしまいます。
ですから、確かに繰り上げ返済すればその借り入れについてはお得ですが、あくまでそれができるのは、資金的な余裕がある時であって、繰り上げ返済してしまっても生活に支障が出ない場合に限るべきでしょう。
このように説明してしまうと、利用者の中にはそんなにお得になるのなら、無理をしてでも繰り上げ返済してしまおうと考える人もいて、中には生活費を圧迫しても返済する人がいます。
しかし、ローンの返済ではそういった無理をしなくても返済できるように、約定返済で月々少額づつ返済できるようになっているわけですから、この場合繰り上げ返済は利用せず約定返済を続けるべきでしょう。
特に生活費を削って繰り上げ返済に回してしまった場合には、あとあと生活に困ってしまうことも出てくるので注意しなければなりません。
こういった生活費を削って繰り上げ返済に回した場合、生活を圧迫しますから、返済した時点ではよいかもしれませんが、生活を続けていったときに支障が出てくることがあります。
そうして、生活が難しくなってしまった場合、また借入れしてしまう人もいるのです。せっかく繰り上げ返済してお得になると喜んでいても、新たに借入れしてしまえば、そこからまた利息が生じてしまいます。
こうなってしまうと繰り上げ返済したことが仇となって、結局お得にしようとしたのに、かえって損失が多くなってしまったというようなことにもなりかねません。
大変下手な返済方法としか言えないでしょう。
もちろん自分の支出をしっかり管理しており、不要不急の支出が有って、それらを削るというなら良いですが、そのお金が無ければ生活が成り立たないというようなお金には手を付けてはいけません。
会社員で言えば、先程説明したように賞与が出た場合などに当たりますが、この場合も賞与から住宅ローンの返済をしているというような場合には、幾らまで返済できるのかよく計算する必要があります。
自営業者にしても、いつもより収入が多かったとしても、先々をよく考えて、事業に利用する可能性があるような資金は、しっかり確保しておくようにして下さい。
リボルビング返済方式は借入額にかかわらず月々の返済額が一定になる方式の為、借入れが増えると利息分が増え、元金返済分が減ってしまいます。
そうなると返済効率が落ちて、返済期間も長期化しますから、この方式は利息が増えてしまうという欠点があります。
そこで繰り上げ返済を行って元金分を減らせば、返済効率が上げられますから、リボルビング返済方式の場合には、特に繰り上げ返済の併用がお勧めです。
このように繰り上げ返済というのは、普通に返済していくよりもお得な返済に繋がりますが、もっとお得な方法も有ります。
それは、お金を借りないという方法で、そもそもお金を借りなければ、利息という損失は生じることもないのです。
もちろんお金が必要な時には借入れすることも必要かもしれませんが、最近はキャッシングの登場で安易にお金を借りてしまう人が多くなっていて、もっとよく考えれば借りずに済ませられる可能性もあるのです。
ですから、お金を借りようと考えた時には、まずお金を借りなくて済ますためにはどういったことが必要なのかを考える習慣を付けましょう。借りるにしてもよく考えれば借入額を減らすことが可能なはずです。
説明してきたように繰り上げ返済する事で、利息を減らすことができるので、お得になります。
しかしもっとお得なのは、この利息を払わない事です。利息を払わなければ、損失は出ない訳です。
でもお金を借りたら利息がかかるだろうと言うでしょう。ですから借りなけければよいのです。
要するにお金は借りないのが最もお得という事になるのです。
少し時代を遡ってキャッシングなどという言葉が無かった頃を考えてみましょう。
その頃であっても生活上、お金が必要と考える人は、現在と同じようにいたのです。
しかし当時はお金を借りる場合、保証人や担保などが要求され、そう簡単には、借りられませんでした。
そこでお金が必要という場合も、借りられない訳ですから、殆どの人というのは何とか節約して、借りずに済ませる事を考えるのが普通でした。
ですから、この時代には利息を支払うという事が現在よりも少なかったわけです。
しかし、大手サラ金や銀行がカードローンを提供しだして、キャッシングというものが身近になってくると、状況は変わりました。
お金が必要になった時でも担保や保証人など必要なく、比較的簡単にお金が借りられるようになって、遣り繰りするという事が無くなってしまったのです。
もちろん、それでもかまわないという人も多いですし、返済できていれば問題も有りません。
しかし、ここでの話のように繰り上げ返済を利用して、何とかお得に返済しようと考えるのであれば、やはり、借りること自体を見直してみる事も必要でしょう。
説明したように、昔の人はお金が必要になった時には、頭を絞って遣り繰りで乗切っていたのですから、現在の人間ができないということは無いはずです。
そこで実践してほしいのは、お金が必要と考えた時には、まずは借りずに済ませる方法がないかどうかという事を考えて下さい。
そういった部分をだけでは必要なお金が捻出できない時に初めてお金を借りる事を考えても遅くはないのです。
その場合、いろいろと検討した末の借入額になりますから、当初よりも借入額は少なくなるので、その分利息は少なくなってお得になるはずです。
家計簿のようなものを付けるのでも良いですが、最近ではレシートにスマホをかざすだけで読み取って記録してくれるアプリも有るので、そういったものを利用すれば、比較的簡単に管理できるでしょう。
ここでローンの繰り上げ返済について纏めておきます。
お金ができたら貯蓄をしようという人もいますが、利息的に考えれば返済に回した方がお得になる事が分るはずです。どちらが得なのかよく考えてみて下さい。